インド洋に異変 梅雨前線去らず 海水温上昇で対流強く
今年の梅雨前線は非常に強力な状態で7月中に梅雨明けするか心配な天候です。九州を中心とした豪雨や全国的な日照不足は、異例の長さで停滞する梅雨前線と水蒸気の流入が原因と日経新聞の記事が目を止めました。インド洋で起きた「異変」が太平洋高気圧の北上を阻み、夏の訪れを遅らせている。気象庁によると、特に雨がひどかった7月1日~10日までの総雨量は20万ミリで過去38年で最高多。1時間に50㎜以上の非常に激しい雨も回数も82回と過去の記録を大きく上回った。日照時間も短い。西日本から東北にかけて平年の半分を下回り、植物への影響も出ている。梅雨前線が停滞し、のこに大量の水蒸気が流れ込んだ結果だ。いずれもインド洋付近の海面水温の上昇に起因するという見方が強まっている。インド洋の海面温度が高いと上昇気流が起きて対流活動が強くなる。上昇気流は隣接するフィリピン近海の上空に流れて下降し、結果的に、この付近の上昇気流と打ち消しあって対流活動が弱まる。本来北上するはずの太平洋高気圧は対流活動が弱まったフィリピン近海上空である南西側に張り出して北上せず、「梅雨前線を北に押し上げられずに停滞した」又短時間の豪雨の回数が増えた原因も、上空に流れ込んだ水蒸気量を分析した結果「大気の川」と呼ぶ巨大な水蒸気が流れてきていた事を突き詰めた。この流れの幅は約500Kmにもなり、10日間以上停滞する梅雨前線に毎秒50万~60万トンの水蒸気をもたらした。水蒸気は雨を降らす積乱雲を作り出す。「水蒸気の総量は西日本豪雨の3倍以上」梅雨前線はまだしばらく停滞する見込みで夏の訪れが遅れそうである。