【プラスαの考え方】
芝を観る技術。さらに良い芝生を、さらに楽に、さらに簡単な芝生管理を行う為のステップアップの考え方…
里山は日本の風景として心に残るとても美しくい情景です。自然の中ににほんの少しだけ人間の手を加える事で景色が変わります。自然界には全く同じ物はひとつもありません。色・形・表情全てが違います。しかしフラクタルの様に幾何学的にそれぞれが邪魔することなく整然と佇んでいます。人間世界もその様なバランスをもっと自然から学ばなければいけないと思います。今までに何か1つ加えたり引いたりする事で変化が生まれると考えます。

【環境適応力】
植物は人間のように動き回ることは出来ませんが、自然環境に巧みに適応するしくみを持っています。宮城県の松島の松は風光明美で知られていますが、松が岩の上で育っています。土も無く海の塩害にも耐えて元気に育っています。何故でしょうか?松は生きる為に根から根酸を出し岩を溶かし少ない養分と水分を確保し、岩の上でも生きられる様に適応して生きています。ゴルフ場のグリーンでも同じように、砂の上に葉は4mm根は10cmと特殊な管理をしています。人に踏まれ、機械に踏まれ、日が当たらない場所や水が多い場所グリーンや暑さに適応する能力があります。最近の研究でも植物の生長とストレス(乾燥・高温・低温)応答を切り替える仕組みが プロテインキナーゼ ・アブシジン酸( 気孔の閉鎖促進、乾燥耐性の獲得、種子の成熟や種子休眠の維持など )が関与していると解明されてきています。

【光の考え方】
植物の生長で欠かせない太陽光。人間も太陽が出ている晴れは元気がでます。
林帯の日陰に生えている徒長していて細く弱弱しいスズメノカタビラを見た事があると思います。植物は光を求めて上に伸びていきます。
ベントグリーンでも日照不足のグリーンは弱々しい状態だと思います。林の中のスズメノカタビラと同じ状態なのです。逆に日当たりの良いグリーンのベントはデン!と構えたように降ろした節間が短く太った立った茎となります。
芝生は日照時間が短いと光合成も低下し、特に冬場の太陽が低い時には日照不足の場所では凍結してしまい、擦り切れも目立ちます。
太陽はお金でも買う事ができないので、少しでも太陽が当たる様に改善するしかありあせん。
そこで参考にしてほしいのがSun Seeker – Tracker & Compassです。
携帯に入れて写真を撮るだけで夏と冬の太陽の軌道が分かり、伐採する木が一目でわかります。また上の方々の説明も写真で説明した方がわかりやすい。
寒地型芝生=朝日が当たるかが重要と言われます。(午前中の光合成量が多い・朝の地温の上昇・露キレが良い)
暖地型芝生=朝日と西日の両方当たる方が良いと言われます。(光要求量が多い・地温上昇)
日差しの強さ:日中>朝日≧夕日
芝生の葉が緑色に見えるのは、光合成を進行させる葉のクロロフィールとよばれる色素が緑色の光だけを吸収せず、葉の表面で反射した光によってみどりに見えるためです。
知り合いのイチゴ農家さんも夕方にLEDライトを当てています。青色LEDは栄養成長、赤色LEDは生殖成長に有効との話でした。芝生の現場でもサッカースタジアムでは観客席と屋根がある関係から日照が足りずELDライト等使われています。LEDより普通の電球の方が葉の表面温度が上がり良いとの噂も!

SUNSeeker写真(赤ライン夏至・青ライン冬至)

お役立ち携帯ソフト:Sun Seeker GPSを使い現在地の太陽の動きが簡単に見れます。1年で太陽が最も高い夏至が赤ライン・低い冬至が水色ライン

光合成とは
芝生は光合成に必要な要素は光、水、栄養(窒素,リン酸、カリ他)そして二酸化炭素です。 代謝(呼吸)するために根からの酸素も必要です。また全ての作用が活性化するために温度も関係しています。(光のエネルギーを利用して無機炭素から有機化合物を合成する反応で、この過程で水が分解されて酸素を放出) 根から酸素をとりこみます。グリーンはパッティングクオリティーの為に固めており、人間や機械も乗ります。さらに非耕起ですので、土壌中の孔隙率で気層部分が少ない特殊な育て方をしています。夏場は散水により更に空気が追い出され酸素欠乏になりやすくなります。

太陽の方角に向かう向日葵

芝目を作らない
全ての植物は効率的に光合成を行うために、光の方角(東から西)の方角に向く性質があります。写真の向日葵は同じ方向に向いています。芝生も同じように同じ方向に向きやすいのです=芝目が出来る。一番芝目が出来やすい状況は傾斜によるものです。上から下へ芝目が出来ます。次に平地であれば東西方向傾くように芝目が出来やすくなります。山を近くに抱えるゴルフ場であれば、山から谷の方向に風が吹くので、山から順目となり平地よりも強く出来ます。できるだけ芝目を作らない管理方法として、刈込順番を決める時には南北を1のラインで刈込計画を作りその後234と刈込方向を変えていきます。傾斜だと下から上に、平地だと東西から直角に、山を抱えているコースでは山に向かって刈込・グルーミング・バーチカル等の作業を意識的に入れるように心がけて作業を行うことで、芝目が薄くなります。ウルトラドワーフ・高麗などの暖地型芝生はベントグラスよりも強く芝目ができます。白く見えれば順目・緑に見えれば逆目です。一度芝目が出来ると解消するのも苦労します。芝目の話ですがアップライトに芝生を作る事は生育上とても大切な事です。

空は青く夕焼けはなぜ赤いのか?
光は太陽から降り注ぐ電磁波の一種で、人が目で感じることができる波長を「可視光線」といいます。可視光線は波長の短い方から紫・藍・青・緑・黄・橙・赤の順の虹の七色です。虹の順番と同じです。また紫よりも波長の短い光は紫外線、赤よりも波長の長い光は赤外線です。
太陽から届く可視光線はすべての波長が重なると、ほぼ白になります。ではなぜ空が青く見えるのでしょうか?それは、波長の短い青の光は、空気の分子などにぶつかると早く散乱して空に広がるからです。最も波長が短い紫ではないのは、紫の光が青の光のエネルギーに比べて弱く、平地では人間の目まで届きません。
日の出や日没のときに空が赤や橙に見えるのは?朝や夕方は太陽の高度が低く、光が空気の層を斜めから差し込むため、大気の中を通る距離が長くなります。波長の短い青い光は、早い時点で散乱しそのエネルギーが弱いため私たちの目に届く前に消えてしまい、波長の長い赤や橙の光だけが届くようになるのです。 植物は青色光と赤色光のバランスで光環境を判断していますが、人間の眼も緑色光が明度を,赤と青が色相を担っているといわれており、同じ生物としての類似性がありそうです。 ゴルフ場が一番綺麗に見える日の出前と日の入りの前後の1時間の綺麗な状況マジックアワーを見れる事は管理者の特権だと思います。


水の考え方 】
人間にとっても植物にとっても生命の源である水
以前師匠から芝生に泥水のませるのか!と言われた事があります。その時は水分あれば良いのでは?と思いましたが、師匠は貯水タンクに麦飯石をいれていました。たしかにミネラル分が多い石をタンクに入れる事でミネラル水にしていたのです。
今考えると水道水よりも富士山の天然水をペットボトルではなく、富士山の湧き水を飲んだ方が美味しい。
池の水を散水に利用しているゴルフ場では夏場にスプリンクラーから40℃近くの水を散水しているゴルフ場もあります。藻や雑草が出やす
夏場の芝生には不要な、窒素たっぷりの匂う水を散水すると芝に色も出るが徒長もしてしまいます。この時期の軟弱徒長は夏場のベントグリーンを管理する上で一番危険な状態となります。熱い時には冷たく、寒い時には適度な温度の井戸水を使いたい所です。
良い水とは何でしょう?
それは美味しい水=ミネラルが豊富で温度も適度年間を通して一定である水です。世界でも珍しい水が豊な国日本。
やはりミネラルバランスが良い水(カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、炭酸ガスなどを適度に含む)は芝生にも人間にも体にも良いのです。
良い水でもたっぷり多めの水が良いかというと、そうでもなく午後に当日のカップの縁が乾く程度の水分量を目安に管理をする事が一番です。 

生命誕生の秘密はミネラル
海で生まれた生命の最初はミネラルが関与していたと言われます。有機化合物からは進化して、およそ五億年前にその一部は陸にあがり、生と死を繰り返しながら土を作り、植物、動物に分化して、やがて人間が誕生しました。人間は進化の一端に位置し、生命として海に生まれ大地に育ってきました。人間の身体を構成している元素(ミネラル)の割合と、地球の海と大地を構成している元素の割合は大変よく似ています。生命の誕生と進化にミネラルが大いに関係していたとなれば、人間の健康に影響しないはずはありません。ミネラルは体内で合成することができないので、一つでも欠けると様々な病気を誘発します。名水と言われる水は純粋なH2Oだけではありません。 植物にとって良い水は硬水といわれています。ミネラル栄養素:植物の成長に必要なミネラル栄養素を溶かす役割があります。これには窒素、リン、カリウム、カルシウム、硫黄、マグネシウム、ホウ素、塩素、マンガン、鉄、亜鉛、銅、モリブデン、ニッケルなどが含まれます。生化学反応の場:植物の身体を作るための化学反応(生化学反応)を行う場として機能します。これには細胞壁成分、タンパク質、脂質、色素、香気成分などの複雑な有機化合物が含まれます。物質の運搬:吸収したミネラル栄養素や光合成で作った糖、その他の中間代謝物を必要な場所まで運搬する役割を果たします。これは導管や師管という通導組織内を流れる水溶液流によって行われます。一般的に、植物にとって良い水は「何も溶けていない水」であり、土壌中に十分なミネラル栄養素が含まれていることが理想です。ただし、特定の状況では雨水や培養液などが適していることもあります。雨水は植物にとって非常に重要な成分である窒素、リン酸、カリウムなどを含んでいいるので、雨の後の緑度が上がる事がわかります。

シリンジング (syringing)
シリンジングとは少量の散水又は、水を細かな霧状にして茎葉を濡らすこと。芝生表面の水分が蒸発するときに奪われる気化熱によって、芝生の表面の温度を下げる効果があり、葉の萎れを防ぎ、芝の乾燥ストレスの防止に有効である。シリンジング時間は数分間、芝の乾燥ストレスの時に限り、シリンジング時刻も10時~3時位(空中湿度の一番低い時間帯)までとし、それ以降は空中湿度が高くなり病害を誘発する危険がある。これによって、芝生の表面温度が3~6℃下がるのが期待できる。芝草の水管理において重要なことは、“いつ撒くか”というとである。土壌中に適正量の水分があるのに土壌が保水の飽和状態に近づき、通常の散水を行うと、ストレスを高め特に地中温度の高い場合は、湿度を高め、過湿によるしおれの発生や、病原菌の発生を助長することになる。こうした障害を回避するため、短時間、かつ、少量の水を撒く、いわゆる「シリンジ散水」が効果的である。水を撒く点で通常散水と区別される。

シリンジング・スポット散布時に便利なクックカプラー TORO Quick Coupler
グリーン用スプリンクラーから分岐させ、短めの軽いホースをセットすれば、1人で楽にスポット散水・シリンジングが出来る優れものです!

天気に関係する事ですが近年台風の進路が読めなく時期もばらばらに発生します。そんな台風進路情報を早く!高確率で!発表しているサイトがあります。是非参考にしてみて下さい。まったりリポート

【月齢の考え方】
人間にもバイオリズムがあります。それは月の満ち欠けにより引力によるところの力にも関係してきます。
植物にも月齢によるリズムがあると言われます。
旧暦による芝生リズムの基本はかなり当てはまっていると思います。

月齢と芝生の関係
新月では、養分の流れは下降し、根部に集中する。その為新月の3日前に発根系を散布することにより、下に伸びる根が充実しやすくなります。
満月では、養分は茎内の葉・花・果実の部分に集中する。その為満月の3日前に葉身系の資材を散布することで、葉・茎の上に伸びる部分が充実します。
江戸時代の農書には『ダイコンは闇夜に収穫すること。月の明るい晩に収穫したダイコンは中にスがあるものだ』
と書いてあるという・・・
虫の発生のサイクルを丹念に観察した結果、虫の発生(孵化)時期が必ず大潮の時期と合致しているのです。
人間も昔から、子供が生まれるのは満潮のとき、と言われていました。また、人が息を引き取るのも潮が引くとき、という話は聞いたことがあります。
大潮には満月のときと、新月の時の2回あります。満月の大潮でも新月の大潮でも、いちばんの防除適期は大潮の最後の日から3日間くらいだということです。この時期が、ちょうど虫が卵から孵ったばかりの時期、農薬がいちばん効きやすい時期に当たるようなのです。』
満月をはさんで5日間は 強めの潅水。満月の2日前に 農薬散布施肥は 半月から 満月に向かう 真ん中前後の日に・・・

参考文献 ハイロ・レストレポ・リベラ(著)『月と農業』
『穀物を、味を落とさず長もちさせ、病気や害虫の被害も受けにくくするには、下弦の月のときに収穫することである。(65頁) 
柑橘のせん定を行なうのによい月齢は、新月である。このタイミングで行なえば極端な徒長枝も防ぐことができ、・・・(73頁) 
-動物の去勢を実施するのによい月齢は下弦の月である。動物の負担も少なく、極端な出血による危険も防げる。(146頁)』
(追補)
満月の時に 樹の樹液が 上のほうに集まってくる・・・という現象は人間の中でも 起こっているのかも…?

( 人間の食にも関係する月 ) 新月の塩はまろやか?
「満月の塩」「新月の塩」「中秋の名月の塩」など近年、月の満ち欠けのタイミングに合わせて海水を取水し、製品化した塩が流通するようになってきた。引力によって潮の満ち引きが生じ、中でも月の引力が果たす役割が大きい。潮の動きは海中のプランクトンや魚など生みの生き物たちにも影響を与え、当然、海水の結晶である塩の味わいにも変化をもたらすからである。
月が上昇して地球を照らすと、月の引力で海は満ち潮となる。一方、地球の裏側は月の引力は弱いものの、地球の自転の遠心力などによって、こちらも満ち潮となる。その中間が引き潮だ。月の動きは地球の自転より余計に時間がかかるため、満潮と干潮の時間が日々変化していく。加えて、太陽との動きが重なることで、潮の満ち引きの大きさが変わり、満月や新月のときに「大潮」、半月(上弦の月、下弦の月)のときに「小潮」が生じるのだ。
潮が動けば海中のプランクトンの動きも活発になり、それを餌にする魚たちも活動的になる。釣りの絶好のタイミングが「大潮」と言われるワケもそこにある。
月の満ち欠けによって海水の状況も大きく異なるため、どのタイミングで取水するかは、塩の味わいを左右する。満月と新月はともに大潮になるため同様かと思われがちだが、満月の時は上から引っ張る力が最も強くなるため、中層から表層の海水が大きく混ざる。逆に新月の時は裏側から引っ張られる力が最も強くなるため、中層から表層の海水は非常に穏やかで静か。そのため、満月と新月とではミネラルのバランスやプランクトンの状況などが異なる。
満月の塩
しょっぱさ、酸味、うまみ、甘味、苦味、雑味など、塩に含まれる全ての味覚が全般に強目で、味の余韻が長くこってりした印象。少し刺激的でもある。
赤身の肉や魚などの味の濃い食材に合いやすい。雑味も強いため、雑穀類との相性も良いので、コメなら雑穀米と合わせると良い。
新月の塩
全体的には味がまろやかで、繊細な印象。潮の香りが強目で、余韻は短く透明感があり、後味がクリア。 日本食に合う
潮の香りが強くなる傾向があるので、魚介類や海藻類と相性が良い。しょっぱさが軟らかいので、赤身よりは白身向き。繊細な味なので、調味よりはフィニッシングソルトとして推奨できる。

【酸素の考え方】
 植物は水と空気と太陽が有れば育ちます。
大気中の空気の成分をは窒素(78.08%)、酸素(20.95%)、アルゴン(0.93%)、二酸化炭素(0.03%)です。
この微妙なバランスが現代の生活活動により崩れようとしています。江戸時代と現代のエネルギー量を計算すると、現代人は江戸時代と比較して40倍のエネルギーを使う生活をしています。豊になった原因は石油であり、二酸化炭素の大元は人間活動の結果なのです。

過酸化水素の酸素
薬局で売られている「過酸化水素水」は「オキシドール」などの名前で知られています。衣服にこぼすと脱色してしまう少し危険な物です。「殺菌」の為に使用すると土壌表層の善玉菌も悪玉菌も殺菌します。 過散水による嫌気状態を改善することはありません。 過酸化水素は二価鉄を触媒としてヒドロキシラジカルを発生させます。この反応をフェトン反。ヒドロキシラジカルは活性酸素で植物を弱らせる事があります。もともと、芝草の根には、強力な酸化力が備わっているのです。この根の酸化力の根源は、根で生成される過酸化水素によるものと考えられています。 根の先端部が「真っ白」なのは、根の活性が高く、酸化力が高いことを示しているのです。しかし強制的に過酸化水素を散布すると根を痛める事があるので注意が必要です。

【風の考え方】
 風と光合成(農文協書籍)に、ゆらぎ程度の気持ち良い風を植物にあてると光合成速度が上がると解説しています。
風は水分を飛ばし、芝生に刺激を与えます。人間も水の中に足を突っ込んでいる状態が長いと、足がむくれてしまい気持ち悪いですよね!
芝生や根も水の中に居ると決して良いわけではありません。乾いていた方が病気にもなりにくいし、健全に育ちます!
ベントグリーン(夏場の寒地型芝草)の環境改善に役立ってくれるのが風を作る扇風機です。その前に樹木の選定や伐採を行う事が重要ですが!
扇風機を使うポイント
・淀んだ空気を対流させる。地表から1.5m程度は土壌水分の蒸散により湿度が高くなります。この空気の層を上層の空気と攪拌さ対流させます。
・局所的に風を当てて乾燥させる しかし乾燥し過ぎる場面を見た事があるので注意が必要です。
・地温を下げる 地温を下げるには夜間が有効的に地温を下げてくれます。

一番重要なのはやはり人
管理を行う上で一番必要な事はレイバー管理です。作業員とのコミュニケーションを取り、計画通りに作業を進めてもらうかが一番難しい所です。
さらに若い人材を募集する事で会社内の新陳代謝をスムースに行い、次世代の人材を育てていく事も仕事です。

1つでも取り入れてみて下さい。1年に1回しか経験できませんのでそれぞれの環境に合った管理をみつけだしてください。

【土壌の考え方】

  1. 透水性と通気性: 芝生は水はけの良い土壌を好みます。水たまりができやすい場所やジメジメした場所では芝生はうまく成長できません。水はけ不良は芝生の病気や害虫のリスクを高め、苔や藻類、キノコの群生などの問題を引き起こす可能性があります。床土作りの段階で水はけを改善することが重要です。
  2. 土性: 芝生に最も適している土性は「砂壌土」です。手でこねても棒状にならない程度の粘度が目安です。砂壌土は水はけが良く、通気性も高いため、芝生の根が健康に成長できます。
  3. pH値: 芝生は弱酸性から中性の土壌で育ちます。土壌のpH値を調整して、芝生に適した範囲に保ちましょう。
  1. 土壌改良: 透水性と通気性を保ちながら、保水力と保肥力を持つ土壌にするために、川砂や良質の腐植や活性炭・ミネラル鉱石を混ぜて団粒化構造をつくります。
  2. 表面排水: 雨水が流れやすいように表層に傾斜をつけます。
  3. 暗渠排水: 床土から外部へ水が抜ける構造を作ります。

土壌中の微生物は、ゴルフ場や自然環境において重要な役割を果たしています。彼らは土壌の生成や物質循環に関与し、植物の生育を支えています。以下に、土壌微生物の主な働きをいくつか紹介します。

  1. 分解者としての役割:
    • 土壌微生物は有機物を分解し、植物が吸収できる無機物へ変換します。例えば、デンプンを分解する菌やセルロースを分解する菌があります。
    • 有機物の無機化(物質循環)や有害有機物の分解と浄化にも関与しています。
  2. 病害の防除:
    • 有用微生物は病原菌に対抗し、土壌中のバランスを保ちます。連作障害を防ぐためにも土壌微生物の多様性を保つことが重要です。
  3. 土壌の団粒化:
    • 微生物の活動により土壌が団粒化し、通気性や排水性が向上します。

土壌微生物は目に見えない存在ですが、農作物の健康な成長に欠かせない存在です。土壌を肥えさせ、持続可能な農業を実現するために、微生物の力を活用することが大切です。

光合成細菌は、植物の成長と土壌改良に重要な役割を果たします。以下に、光合成細菌の主な効果を説明します。
窒素固定:光合成細菌は、大気中の窒素を固定し、植物が吸収できる形に変換します。これにより、植物の成長と栄養素の供給が促進されます。
有機物分解:光合成細菌は有機物を分解し、土壌中の栄養素を利用可能な形に戻します。これにより、土壌の肥沃度が向上し、植物の栄養摂取が改善されます。
土壌構造の改善:光合成細菌は土壌の粘土や有機物を結びつけ、土壌の通気性と保水性を向上させます。これにより、植物の根がより効率的に成長できる環境が整います。
病原体の抑制:光合成細菌は土壌中の病原体を抑制する役割を果たします。これにより、植物の健康を保ち、病気に対する耐性を高めます。
有機物の生成:光合成細菌は有機物を生成し、土壌中の有機炭素の量を増やします。これは土壌の持続可能性と生態系の健全性に寄与します。総じて、光合成細菌は土壌の健康を維持し、植物の成長をサポートする重要な存在です。この光合成細菌のエサとなる成分がマックスウォッシュに入っています。