シンプロット粒状肥料輸入遅延のお詫び
拝啓、皆様におかれましては益々のご発展のこととお喜び申し上げます。
まず始めに、本年春から粒状肥料の入庫が遅れ大変ご迷惑をおかけいたしましたことを 改めて心からお詫び申し上げます。
先般、ご案内いたしました通り、弊社が20 年以上取引しておりましたJ.R. シンプロット社芝生園芸肥料部門が本年8 月末を以って
業務を終了する旨6 月4 日に通達してきました。一昨年90 周年記念を迎えた伝統ある部門でした。2000 年ごろには100 億円を超える
売り上げを誇っておりましたが、2008 年のリーマンショックで大きく業界の流れが変わる中それを乗り越えて何とか体制を維持してきておりました。しかしながらコロナパンデミック、またそのパンデミック明けの物流、人件費等の高騰に耐えきれず昨年中核工場であるカリフォルニアの工場を急遽閉鎖し、委託製造工場に製造を委託して本年から新たな体制で再起に挑んでおりましたが、委託先工場の製造連携がうまくいかず、国内販売分、輸出分共に製造が間に合わない状況となり春先より日本だけでなくすべての受注先への納品が滞る状況となりました。以前は自社工場でしたのでいろいろ融通が利きましたが、外注先の場合製造の順番は外注先の工場が決めることになるので、シンプロット社としては完全にはコントロールが出来ません。製造が完了してシンプロット社の倉庫に届けられる日にちが連絡が来ますと、シンプロット社は速やかに船会社に手配をしてコンテナ船の予約をいたします。その段階になって初めて弊社に連絡が来ることになります。そしてどの商品がどの港に着くかがわかります。その後も予約した船より遅れて出港することなどがあ到着に時間がかかります。また、東京港はアメリカから直行便になりますので出航してしまえば11 日後には確実に到着しますが、大阪港、苫小牧港は直行便がなく、釜山港(韓国)または上海港(中国)経由となり、現状では予定より寄港地で1週間ぐらい乗り継ぎに時間がかかってしまっております。
シンプロット社は本業の農業分野での輸出が多いため船会社と特別な契約をしており、日本向けのコンテナも一般的に現状4000 ドルするところをマクドナルドのポテト輸入等の関係で格安で送ることができるので肥料を安価に輸入することができておりました。
シンプロット社の本業は農業用の販売ですが、こちらも近年大消費地のカリフォルニアの大干ばつで農家に水が足らず、50%の農家が離農してしまっており、またトランプ大統領の移民政策で農家で作業をする人間が集まらず、カリフォルニアの多くの農家が他の州に移動してしまい、これらがシンプロット社本体の売り上げ減に響いており、芝生用肥料の補填ができなくなり、また肥料納入の遅れによる売り上げ減、国内物流コストの増加が利益を圧迫し、今月急に閉鎖が決定されてしまいました。弊社はすでに秋まで必要 数量を発注しておりますが、シンプロット社からは最終の船積みは7 月末までと連絡が来ており、それまでに製造が間に合ったもののみしか積めないと言われております。そのため年内に必要な肥料がすべて送られてくるかどうかは現状不明です。7 月中旬にはどこまで積まれるか判明すると思います。
またいつもご依頼いただいている土壌分析も、今まではシンプロット社の特別価格で分析会社にお願いできておりましたが、今後は特別価格は適用されなくなりますので土壌分析の価格は改訂されることになりますのでご了承ください。
肥料製造委託先にもシンプロット社から早く製造するようにお願いしているのですが、他社ですので完全にコントロールすることができません。製造が完了した報告が来 た後はシンプロット社の輸出担当者が大変注力して最短の船を選んで速やかに手配しております。弊社としてはシンプロット社からの報告を待つしか方法はなく、そのシンプロット社も委託製造先からの連絡が来ない限り何もわからない状態です。長年ご愛顧いただいている皆様におかれましては大変ご納得いただけない状況であることはシンプロット社をはじめ弊社としても十分理解しており、大変申し訳ない思いで一杯でございます。
現在シンプロット社のこの業務を引き継ぐ会社と交渉に入っており、夏ごろには体制 がはっきりすると思われます。来年はこのような事の無い様に鋭意努力していく所存でありますので何卒今後ともよろしくお願いいたしたく存じます。
最後に繰り返しになりますが、春から大変ご迷惑をおかけいたしましたことを深く深くお詫び申し上げます。状況をご鑑み頂きご容赦のほど心よりお願い申し上げます。
株式会社ヒューエンタープライズ 田中裕敏