肥料値上げと今後の推移について
肥料の値上がりの要因となっている世界情勢と円安により、肥料価格の高値が長期化する懸念が強まっている。ウクライナ侵攻などの影響でロシアや中国が主要輸出国の肥料原料の供給不安が広がり、国際価格が昨年1月比で3・2~4・8倍に高騰する事態が起きているためだ。肥料メーカーはロシア産の輸入分を全面的に他国産に切り替えるなど調達先を見直している。
芝生を効率的に生育するために使う肥料はカリウム、窒素とリンが「肥料の3要素」と呼ばれ、塩化カリウム、尿素、リン酸アンモニウム(りん安)の形で利用する。
日本は肥料原料をほぼすべて輸入しており、令和2年7月~3年6月の調達国別シェアでは、りん安の90%、尿素の37%を中国、塩化カリウムはロシアが16%、ベラルーシが10%を占める。
原料価格は以前から、世界的な需要の増加や燃料高騰などにより上昇傾向にあったが、昨年10月、電力不足に陥った中国が自国内の肥料価格安定のため輸出検査強化を打ち出し、流通が停滞したことで需給が逼迫。さらにウクライナ侵攻と対露経済制裁による供給懸念が重なり、市場価格の上昇圧力が一段と高まる形となっている。今後の対応として、たい肥等の代替・芝生成長の最盛期の7月の年1回散布を視野に入れる様に考えたい。また秋以降の使用分の確保(予約)をお願い致します。